「.MAG」。
NEC PC-9800シリーズのペイントソフト「マルチペイント」用に開発された、日本独特のフォーマットで、PC-9800シリーズ上のMS-DOSやWindows上で、主としてペイントCGを保存する目的で使用されています。 パソコン通信の世界で開発されたため、パソコン通信で画像データを交換する場合の標準的フォーマットでしたが、インターネットの普及と共に最近は廃れつつあります。
パソコン通信ネット「MAKIchanNET」の会員であるWoody RINN氏が、PC-9800シリーズで作動するペイントソフト「マルチペイント」用に開発しました。 そしてこのファイルを表示するために、同じ作者が「MAKIchan Graphic loader is not 鮪(まぐろ)だ!」に由来する、「まぐろーだー」という名前の画像表示プログラムを開発し、それにちなんで「MAG(マグ)」と名付けられました。 MAGの著作権はWoody RINN氏が保有していますが、パソコン通信上で仕様を公開していて、フリー扱いになっています。
少し前まではペイントCGの標準的なフォーマットでしたが、日本以外では使われていないことと圧縮率が低いことから、インターネットの普及と共に次第に使われなくなってきています。 実際、よく似たフォーマットであるGIFと比べますと、ほとんどあらゆる点で負けているため、現在ではMAGを使うメリットはほとんどないと言ってもよいでしょう。 これまでCGの普及に大きな貢献をしてきたMAGですが、はっきり言いまして、今では役目を終えたフォーマットだと思います。
ヘッダ |
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カラーパレット |
ビットマップイメージデータ |
MAGファイルは大きく分けると左表のような構造になっています。 ヘッダにはMAGファイル識別文字、機種コード、コメント、イメージの位置と大きさなどが含まれています。 カラーマップは1エントリにつきRGB各1バイトの計3バイトで、16色分または256色分あります。 ビットマップイメージデータは、相対位置情報と排他的論理和(XOR)による特殊な方法で圧縮されています。