一般に、検査の精度を評価する指標として次のようなものがあります。 (→当館の「統計学入門 9.2 群の判別と診断率」参照)
検査結果 | 計 | |||
---|---|---|---|---|
陰性(Negative) | 陽性(Positive) | |||
群 | 正常群(Normal) | TN(True-Negative) | FP(False-Positive) | nN |
疾患群(Disease) | FN(False-Negative) | TP(True-Positive) | nD | |
計 | TN+FN | FP+TP | n |
これらの指標のうち、感度と特異度は感染者と非感染者に関する検査精度を表す指標であり、正診率は総合的な検査精度を表す指標です。 それに対して陽性予測値と陰性予測値は臨床現場でこの検査を用いた時の診断精度を表す指標です。 感度と陽性予測値の違いと、特異度と陰性予測値の違いは、あまり理解されていないのではないかと思います。 そして図9.2.1の模式図から、上記の診断指標の間には次のような関係があることが分かると思います。
これらの関係は、国立長寿医療研究所センターの中村昭範先生が考案され、Natureに掲載された論文中で公表したDP-plotというグラフを利用するとよくわかると思います。