データ解析屋という商売柄、統計学に関する研修や勉強会の講師役を頼まれることがあります。 そのための適当な教科書を探したんですが、なかなかこれといった本がなく、仕方なく自分でしこしこと書き下ろすことにしました。 コンセプトは「統計学を利用する科学現場の研究者のために、できるだけ数式を使わず、できるだけわかりやすく」というもので、わかりやすさのためには正確さを多少犠牲にしてもかまわないという方針でいくことにしました。 統計学に興味のある方はちらっと覗いてみてください。
急性呼吸器症候群COVID-19用のワクチンが続々と開発され、その臨床試験の結果が公表されつつあります。 そこでファイザー(Pfizer)とバイオンテック(BioNTech)が開発した、mRNAワクチンの臨床試験結果の論文「Safety and Efficacy of th BNT162b2 mRNA Covid-19 Vaccine(New Engl J Med. Dec 10, 2020)」について、主としてデータ解析部分を解説しました。 ワクチンに関する資料を読む時の参考になれば幸いです。
2020年8月に、大阪府の吉村洋文知事がポビドンヨードが含まれたうがい薬で新型コロナウイルスへの感染を抑えることが期待できるという趣旨の記者会見を行いました。 そのため全国でポビドンヨードうがい液が売り切れたり、この記者会見の根拠になった研究について専門家から批判が相次ぐなど、大騒ぎになりました。 その大騒ぎの最中に、たまたまその研究に関する資料を手に入れました。 そこでその資料を調べたところ研究方法とデータの解析方法がかなり怪しいので、ちょっとツッコミを入れることにしました。 データ解析屋が怪しい研究にツッコミを入れる時の見本として、何かの参考になれば幸いです。
SARSコロナウイルス2による急性呼吸器症候群COVID-19に関連して、遺伝子検査(RT-PCR検査等)のことが何かと話題になっています。 でも残念ながら多くの誤解があるようなので、一応、ゲノム医学分野の大学発ベンチャー企業の立ち上げを手伝い、遺伝子検査会社と共同研究をした経験に基づいて概略をまとめてみました。 遺伝子検査に関する資料を読む時の参考になれば幸いです。
SARSコロナウイルス2(SARS-CoV-2)による急性呼吸器症候群COVID-19(コビッド・ナインティーン)は、2019年末に中国の武漢で初めて報告され、その後中国全土から世界中に広く拡大し、パンデミックを引き起こしました。 このような感染症のデータを解析する時は、感染症数理モデルを利用するのが普通です。 そこで感染症数理モデルの勉強とCOVID-19の現状分析を兼ねて、概略をまとめてみました。 COVID-19等の感染症に関する資料を読む時の参考になれば幸いです。
2011年3月11日の2011年東北地方太平洋沖地震により、東京電力福島第一原子力発電所1号機事故が起きました。 それに関連して当館の会議室で「原爆被爆者調査(寿命調査)」の結果について統計学的な説明をして欲しいと依頼されました。 そこでデータ解析屋がこういった資料をチェックする時にはどんな点に注目するのかを示す見本として統計学的な解説を加えてみました。 放射線の健康被害に関する資料を読む時の参考になれば幸いです。
閑話閑人シリーズの中の話題のひとつで、無謀にもベクトルと行列の「やさしい解説」を試みたものです。 予想したとおり連載数回目からレスが全くつかなくなりましたが、途中からやたらとノってしまったので、「やさしい解説」というコンセプトを無視し、人の迷惑顧みず、ただひたすら自己満足のためにのみ書き続けました。(^^;)
閑話閑人シリーズの中の話題のひとつですが、わりと興味を持っている分野ですし、かなりリキを入れて書いたので独立して展示することにしました。
某パソコン通信ネットの科学ボードに不定期連載していた雑学解説風雑文を当展示コーナー用に再編集したものです。 題名の「閑話閑人(カンワカンジン)」は言うまでもなく「閑話休題」のモジリで、「それはさておき、ヒマな話とヒマな人」という意味です。 科学ボードに連載していたので、一応、最初のうちは科学的な話題を中心にしました。 しかし科学も雑学の一分野にすぎないと思っている僕の考えを反映して、次第に雑学的な話題に比重が移っていきました。 科学ボードのシグオペを自分で担当していたせいもあり、かなり好き勝手に書き散らすことのできたけっこうお気に入りのシリーズです。(^_-)