前口上 | 目次 | 第1章 | 第2章 | 第3章 | 第4章 | 第5章 | 第6章 | 第7章 | 第8章 | 第9章 | 第10章 |
第11章 | 第12章 | 第13章 | 第14章 | 第15章 | 第16章 | 第17章 | 第18章 | 第19章 | 第20章 | 付録 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
生物検定法では、生物活性の量がすでにわかっている物質を利用して未知の物質の生物活性の量を調べることがよくあります。 この時、生物活性の量がすでにわかっている物質のことを標準検体(standard preparation)といい、生物活性の量が未知の物質のことを未知検体(unknown preparation)といいます。 そして普通は未知検体と標準検体の生物活性の比を相対力価(relative potency)または効力比といい、未知検体の相対的な生物活性の量を表す指標として利用します。
薬効評価における効力比は2つの薬剤を同じ用量用いた時の薬効の比として求めます。 しかし生物検定法における効力比は、2つの物質が同じ反応をする時の用量の比として求めます。 例えば未知検体の効力比が2の時は「未知検体の1mgは標準検体の2mgに相当する」と表現されます。 そして例えば標準検体のLD50が1mgとわかっていれば、未知検体のLD50は0.5mgになると推測できます。
未知検体と標準検体について対数用量反応関係が直線で近似できる時は、平行線検定法(parallel line assay)という手法を利用して効力比を求めることができます。 この手法は一元配置型回帰分析に共分散分析の原理を応用した手法であり、未知検体と標準検体の効力比を求めるだけでなく、両者の対数用量反応直線の傾きを比較することもできます。
平行線検定法を適用するには、標準検体と未知検体について複数の用量について反応を調べたデータが必要です。 そのようなデータを得るための最も単純な試験デザインとしては、標準検体と未知検体それぞれについて対数用量反応関係が直線で近似できる最小用量と最大用量の2用量を用いるものが考えられます。 これを2×2点法または2-2点法といいます。 対数用量反応関係が直線で近似できる最小用量と最大用量は、第1節で説明した用量反応試験を行ってあらかじめ求めておきます。
2×2点法では対数用量反応関係が本当に直線で近似できるかどうかを確認することができません。 そのため普通は中間用量も加えた2×3点法または2-3点法を用います。 例えば標準検体Sの用量を1mg/kg、√2=1.4142kg/mg、2kg/mgの3用量、未知検体Uの用量を2√2=2.8284mg/kg、4mg/kg、4√2=5.6568mg/kgの3用量とし、各用量に4匹のマウスを無作為に割りつけて反応を観察したところ表13.2.1のようになったとします。 なおSとUの用量数は同じでなくても計算できますが、同じにすると最も効率的なので通常は同じにします。
群内No. | 標準検体S | 未知検体U | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
1mg投与群 | √2mg投与群 | 2mg投与群 | 2√2mg投与群 | 4mg投与群 | 4√2mg投与群 | |
1 | 42 | 51 | 67 | 37 | 49 | 63 |
2 | 40 | 53 | 68 | 38 | 50 | 61 |
3 | 39 | 50 | 66 | 35 | 49 | 64 |
4 | 40 | 54 | 64 | 34 | 53 | 63 |
平均値 | 40.25 | 52 | 66.25 | 36 | 50.25 | 62.75 |
標準誤差 | 0.629 | 0.913 | 0.854 | 0.913 | 0.946 | 0.629 |
このデータについて標準検体Sと未知検体Uごとに対数用量反応直線を求め、それをグラフ化すると図13.2.1のようになります。
これらの対数用量反応直線を利用して効力比を求めることができます。 例えば図13.2.1において、反応が50の時の効力比を求めると次のようになります。
上記の結果から、反応が50の時、Uの1mgはSの0.325mgに相当することがわかります。
表13.2.1のデータの場合、SとUの対数用量直線の傾きがわずかに違うので反応の値によって効力比が少し異なります。 そこで対数用量反応直線に共分散分析の原理を応用し、SとUの対数用量反応直線が平行と仮定して効力比を求めれば反応によらず効力比が一定になります。 これが平行線検定法です。 表13.2.1のデータに平行線検定法を適用すると次のようになります。 (注1) (→8.1 共分散分析の原理)
要因 | 平方和SS | 自由度φ | 平均平方和Ms(分散V) | 分散比F |
---|---|---|---|---|
検体差 | 60.1667 | 1 | 60.1667 | 22.102 |
共通回帰 | 2782.57 | 1 | 2782.57 | 1022.17 |
修正検体差 | 2503.93 | 1 | 2503.93 | 919.811 |
全体回帰 | 338.803 | 1 | 338.803 | 124.458 |
ズレ合計 | 6.20421 | 2 | 3.1021 | 1.13955 |
非平行性 | 0.56249 | 1 | 0.56249 | 0.206629 |
用量 | 2849.5 | 5 | 569.9 | 209.351 |
残差 | 49 | 18 | 2.72222 | |
全体 | 2898.5 | 23 |
表13.2.2の分散分析表において共通回帰と修正検定差の間、全体回帰とズレ合計の間、そして非平行性と用量の間に隙間があります。 これは検体差と共通回帰の平方和および自由度を合計したものと、修正検定差と全体回帰の非平行性の平方和および自由度を合計したものが等しくなり、さらにそれらにズレ合計と非平行性の平方和および自由度を足したものが用量の平方和および自由度に等しくなることを表しています。 そして一元配置型回帰分析と同様に、用量以下は普通の一元配置分散分析表に相当します。
検体差の検定はS全体の反応平均値とU全体の反応平均値の差が0かどうかの検定です。 表13.2.1のデータを用いて計算するとS全体の反応平均値が52.8333、U全体の反応平均値が49.6667で、その差は-3.1666です。 この差はSとUの用量をどのように設定するかによって変わるので、値にも検定結果にも実質的な意味はありません。
共通回帰の検定は平行な対数用量反応直線の傾きが0かどうかの検定です。 非平行性の検定結果が有意ではなく2群の群別対数用量反応直線の傾きがほぼ同じなら、2群の対数用量反応直線はほぼ平行と考えられます。 そして共通回帰の検定結果が有意で平行な対数用量反応直線の傾きが科学的に有意義なら、どちらの検体もほぼ同じ用量反応関係があり、反応の値とは無関係に2つの検体の効力比を求めることができます。
修正検体差の検定は、平行な対数用量反応直線を利用してSの用量とUの用量を同一にした時の、S全体の反応平均値とU全体の反応平均値の差が0かどうかの検定です。 この検定結果が有意の時はSの反応とUの反応に差があり効力比が1ではないと解釈できます。
その反応平均値の差は2群の平行な対数用量反応直線の切片の差-42.7291と一致します。 そしてこの値を平行な用量対数用量反応直線の回帰係数87.6159で割ると、対数効力比-0.487686になります。 そのため修正検体差の信頼区間を回帰係数で割ることによって、対数効力比の信頼区間を間接的に求めることができます。 ただし修正検体差の信頼区間と効力比の信頼区間は計算原理が異なるので、修正検体差の信頼区間から間接的に求めた効力比の信頼区間と効力比から直接求めた信頼区間が一致するとは限りません。 効力比の信頼区間は効力比から直接求めた値の方が正確です。
全体回帰の検定はSとUを一緒にして求めた対数用量反応直線の傾きが0かどうかの検定です。 これは他の統計量を計算するために求めているだけで、実質的な意味はありません。 ズレ合計の検定はSのズレとUのズレを合わせたものが0かどうかの検定です。 この検定結果が有意の時は対数用量反応関係に直線的ではない要素があると解釈できます。
非平行性の検定は2群の群別対数用量反応直線の傾きが異なっているかどうかの検定です。 この検定結果が有意で2群の群別対数用量反応直線の傾きが科学的に意義のあるほど異なっている時は、反応の値によって効力比が変化するので一概に一方の効力が高いとはいえなくなります。
用量の検定は反応平均値が用量または検体によって変動するかどうかの検定です。 この検定結果が有意ではない時は用量反応関係がなく、しかもSの反応とUの反応にも違いがないので平行線検定法を適用すべきデータではないと考えられます。
以上のことから、求められた効力比が意味を持つのは次のような条件を満足する時です。 表13.2.2の結果はこれらの条件を満足していることがわかります。
効力比は平行な対数用量反応直線を利用して求められたものであり、反応の値によらず一定です。 そして修正検体差の検定結果が有意の時、効力比は1ではないことになります。 ただし普通の共分散分析と同様に、この手法の検定もたいていは有意性検定になります。 そのため検定結果よりも用量反応直線と寄与率、そして効力比とその95%信頼区間を医学的・薬学的に検討する方が有意義です。
平行線検定法は未知検体と標準検体の用量の単位が同一であり、しかも対数用量反応直線がほぼ平行という前提で計算します。 そのため未知検体は標準検体を希釈または濃縮した物質と見なせる時に最も適した解析法です。
ヒトを対象にした臨床試験で薬剤の用量反応を検討する時は、対照群としてプラセボ投与群を置くことが多いと思います。 その場合、プラセボ群は用量が0なので平行線検定法に含めることができません。 そこでプラセボ群の反応平均値を基準値にし、他の群の反応を基準値に対する相対反応に変換――基準値を引くか、それとも基準値で割る――して平行線検定法を適用します。
ただし用量と反応が正比例する時は、用量メタメターlog(D)ではなく用量Dそのものを説明変数xにした平行線検定法を適用します。 その場合は用量0のプラセボ群も平行線検定法に含めることができます。 そして用量反応直線が平行の時、同一の反応が得られる時の未知検体と標準知検体の用量の差が一定になり、それが両者の効力差を反映します。 つまり実用量を用いた平行線検定法は効力比の代わりに効力差を求めるための手法になります。 例えば表13.2.1のデータに実用量を用いた平行線検定法を適用すると次のようになります。
要因 | 平方和SS | 自由度φ | 平均平方和Ms(分散V) | 分散比F |
---|---|---|---|---|
検体差 | 60.1667 | 1 | 60.1667 | 22.102 |
共通回帰 | 2268.07 | 1 | 2268.07 | 833.167 |
修正検体差 | 1953.57 | 1 | 1953.57 | 717.638 |
全体回帰 | 374.663 | 1 | 374.663 | 137.631 |
ズレ合計 | 29.0674 | 2 | 14.5337 | 5.33892 |
非平行性 | 492.2 | 1 | 492.2 | 180.808 |
用量 | 2849.5 | 5 | 569.9 | 209.351 |
残差 | 49 | 18 | 2.72222 | |
全体 | 2898.5 | 23 |
対数用量を用いた平行線検定法の結果と比較すると、説明変数xが関係しない検体差と用量の結果以外は全て少し異なっていることがわかると思います。 そしてズレ合計と非平行性の検定結果が有意ですから、用量反応関係に直線的ではない要素があり、しかもSとUの用量反応直線が非平行のようです。 そのため反応の値と無関係にSとUの効力差を求めることはできません。 表13.2.1は対数用量関係がある検体のデータですから、これは致し方ありません。
仮にズレ合計と非平行性の検定結果が有意ではなく、共通回帰の検定結果が有意だとしたら、同一の反応が得られる時の用量差-2.97382がSとUの効力差を反映します。 ただしこの場合は修正検体差つまりUとSの修正反応平均値の差-33.2192を効力差の指標にする方がわかりやすいでしょう。 実用量の場合は用量に基づいた効力比という考え方ができないので、効力比が意味を持たなくなるのです。
ズレ合計の検定結果が有意ではなく非平行性の検定結果が有意の時は、SとUの用量反応直線を利用して効力比を求めることができる可能性があります。 そのために開発された手法が勾配比検定法です。 この手法については第3節で詳しく説明します。
平行線検定は共分散分析の原理を応用した手法ですから、用量反応関係に関する共分散分析として利用することもできます。 例えば男女それぞれ12名の被験者を男女別に無作為に3群に分け、ある薬剤の低用量(1mg)、中用量(2mg)、高用量(4mg)を投与して反応を観察したところ表13.2.4のようになったとします。
群内No. | 男 | 女 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
1mg投与群 | 2mg投与群 | 4mg投与群 | 1mg投与群 | 2mg投与群 | 4mg投与群 | |
1 | 42 | 51 | 67 | 37 | 49 | 63 |
2 | 40 | 53 | 68 | 38 | 50 | 61 |
3 | 39 | 50 | 66 | 35 | 49 | 64 |
4 | 40 | 54 | 64 | 34 | 53 | 63 |
平均値 | 40.25 | 52 | 66.25 | 36 | 50.25 | 62.75 |
標準誤差 | 0.629 | 0.913 | 0.854 | 0.913 | 0.946 | 0.629 |
このデータに平行線検定法を適用することによって、薬剤の用量反応関係に性差があるかどうか、もし性差が無いとしたら、用量の影響を補正した時に男女間で反応の値が異なるかどうか、といった共分散分析的な検討をすることができます。
要因 | 平方和SS | 自由度φ | 平均平方和Ms(分散V) | 分散比F |
---|---|---|---|---|
群差 | 60.1667 | 1 | 60.1667 | 22.102 |
共通回帰 | 2782.56 | 1 | 2782.56 | 1022.17 |
修正群差 | 60.1667 | 1 | 60.1667 | 22.102 |
全体回帰 | 2782.56 | 1 | 2782.56 | 1022.17 |
ズレ合計 | 6.20833 | 2 | 3.10417 | 1.14031 |
非平行性 | 0.5625 | 1 | 0.5625 | 0.206633 |
用量 | 2849.5 | 5 | 569.9 | 209.351 |
残差 | 49 | 18 | 2.72222 | |
全体 | 2898.5 | 23 |
実は表13.2.4は表13.2.1の標準検体Sを男に、未知検体Uを女にし、2群の用量を同じにしたものです。 そのため解析結果はよく似ていて、用量反応関係に性差はほとんどありません。 またこのデータは性と用量の釣り合い型二元配置デザインなので群差と修正群差が一致していて、どちらも性差がある、つまり女と男の効力比は1ではないと解釈できます。 そして全体の対数用量反応直線と全体の平行な対数用量反応直線は一致し、全体でも男女別でも用量反応関係があります。 しかし普通は釣り合い型になるとは限らず、群差と修正群差が一致するとは限らず、全体の対数用量反応直線と全体の平行な対数用量反応直線が一致するとは限りません。
また平行線検定法を共分散分析として利用するのはたいてい臨床試験であり、対数用量ではなく実用量による平行線検定法を適用することが多いと思います。 例えば表13.2.4に実用量による平行線検定法を適用すると次のようになります。
要因 | 平方和SS | 自由度φ | 平均平方和Ms(分散V) | 分散比F |
---|---|---|---|---|
群差 | 60.1667 | 1 | 60.1667 | 22.102 |
共通回帰 | 2691.67 | 1 | 2691.67 | 988.777 |
修正群差 | 60.1667 | 1 | 60.1667 | 22.102 |
全体回帰 | 2691.67 | 1 | 2691.67 | 988.777 |
ズレ合計 | 97.5893 | 2 | 48.7946 | 17.9246 |
非平行性 | 0.0744048 | 1 | 0.0744048 | 0.0273324 |
用量 | 2849.5 | 5 | 569.9 | 209.351 |
残差 | 49 | 18 | 2.72222 | |
全体 | 2898.5 | 23 |
表13.2.4は対数用量関係がある検体のデータですから、ズレ合計の検定結果が有意になっていて、用量反応関係を直線で近似するのは無理があるという結果になっています。 仮にズレ合計の検定結果が有意ではなかったら、対数用量を用いた時と同様に用量反応関係に性差はなく、修正群差が0ではない、つまり反応の値には性差があると解釈できます。 そしてこの場合もズレ合計の検定結果が有意ではなく非平行性の検定結果が有意の時は、勾配比検定法を利用して男と女の反応比を求めることができる可能性があります。
群内No. | 標準検体Sの対数用量 | 未知検体Uの対数用量 | 全体 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
x1 | … | xi | … | xaS | x(aS+1) | … | xa | ||
1 | y11 | … | yi1 | … | yaS・1 | y(aS+1)・1 | … | ya1 | |
: | : | : | : | : | : | : | : | : | |
j | y1j | … | yij | … | yaS・j | y(aS+1)・j | … | yaj | |
: | : | : | : | : | : | : | : | : | |
ri | y1・r1 | … | yi・ri | … | yaS・raS | y(aS+1)・r(aS+1) | … | ya・ra | |
計 | T1. | … | Ti. | … | TaS. | T(aS+1). | … | Ta. | TT |
平均値 | m1. | … | mi. | … | maS. | m(aS+1). | … | ma. | mT |
平行線検定法ではデータyijを次のように3通りに分解して考えます。
この基本式に対応する平方和と自由度と分散、そして直線回帰式を求めると次のようになります。
これらの平方和の関係をグラフで表すと図13.2.2のようになり、模式図で表すと図13.2.3のようになります。 そして平方和と自由度と分散を表13.2.8のような平行線検定法の分散分析表にまとめます。
要因 | 平方和SS | 自由度φ | 平均平方和Ms(分散V) | 分散比F |
---|---|---|---|---|
検体差 | SPREP | φPREP | VPREP | FPREP=VPREP/VR |
S:回帰 | SβS | φβS | VβS | FβS=VβS/VR |
S:ズレ | SLOFS | φLOFS | VLOFS | FLOFS=VLOFS/VR |
U:回帰 | SβU | φβU | VβU | FβU=VβU/VR |
U:ズレ | SLOFU | φLOFU | VLOFU | FLOFU=VLOFU/VR |
検体差 | SPREP | φPREP | VPREP | FPREP=VPREP/VR |
共通回帰 | Sβc | φβc | Vβc | Fβc=Vβc/VR |
ズレ合計 | SLOF | φLOF | VLOF | FLOF=VLOF/VR |
非平行性 | SDISP | φDISP | VDISP | FDISP=VDISP/VR |
修正検体差 | SPREPA | φPREPA | VPREPA | FPREPA=VPREPA/VR |
全体回帰 | Sβ0 | φβ0 | Vβ0 | Fβ0=Vβ0/VR |
ズレ合計 | SLOF | φLOF | VLOF | FLOF=VLOF/VR |
非平行性 | SDISP | φDISP | VDISP | FDISP=VDISP/VR |
用量 | SD | φD | VD | FD=VD/VR |
残差 | SR | φR | VR | |
全体 | ST | φT |
ただしこの分散分析表は全ての要因を網羅しているものの、要因の重複が多くて複雑です。 そこで共分散分析の分散分析表を参考にして重要な要因だけにした、次のような分散分析表を用いることにします。
要因 | 平方和SS | 自由度φ | 平均平方和Ms(分散V) | 分散比F |
---|---|---|---|---|
検体差 | SPREP | φPREP | VPREP | FPREP=VPREP/VR |
共通回帰 | Sβc | φβc | Vβc | Fβc=Vβc/VR |
修正検体差 | SPREPA | φPREPA | VPREPA | FPREPA=VPREPA/VR |
全体回帰 | Sβ0 | φβ0 | Vβ0 | Fβ0=Vβ0/VR |
ズレ合計 | SLOF | φLOF | VLOF | FLOF=VLOF/VR |
非平行性 | SDISP | φDISP | VDISP | FDISP=VDISP/VR |
用量 | SD | φD | VD | FD=VD/VR |
残差 | SR | φR | VR | |
全体 | ST | φT |
実用量を用いた平行線検定法はxとして用量そのものを用いるだけで、計算式は変わりません。 ただし効力比Rは求めず、Mを同一反応時の用量差として用います。 でも実用量の場合は修正検体差を効力差の指標にした方が良いので、用量差はあまり重要ではなくなります。 表13.2.1のデータについて、対数用量を用いて実際に計算してみましょう。 実用量を用いた平行線検定法に興味のある人は自分で計算してみてください。
これらの統計量を用いて表13.2.2の分散分析表を作成し、各種の検定を行うことができます。