コンピュータはもともと英語を処理するように設計されているため、日本語を処理する場合は色々と問題が生じます。 その中でも特に大きな問題は漢字コードの問題です。 漢字コードには色々な種類がありますので、コンピュータ通信によって日本語の情報をやり取りする場合、送り手と受け手の漢字コードを同じにしておかないと、いわゆる「文字バケ」という現象を起こしてしまい、情報を正しくやり取りすることができません。

MS-DOSやWindowsといったパソコン世界では、JISの漢字コードをパソコンで処理しやすいようにコードシフトしたシフトJISが一般的です。 しかし同じシフトJISでも、記号や罫線文字などの特殊文字と、ユーザーが自由に定義できる外字領域の文字は、コンピュータメーカーによってコードがバラバラでお互いに互換性がありません。

そこでせめて記号と罫線文字だけでも統一しようと、古いJIS漢字コード(C6226-1978)の一部を修正して、新JIS漢字コード(X0208、旧名称C6226-1983)が制定されました。 現在ではほとんどのメーカーがこの新JIS漢字コードを採用していますが、NECだけは大きなシェアにモノを言わせて古い旧JIS漢字コードに固執し、しかも自社のPC-98シリーズ専用の「98専用文字」まで使用しています。 さらに困ったことに、PC-98シリーズと共にシェアを伸ばしてきたワープロソフト一太郎が、この98専用文字をデフォールトで使用するため、PC-98シリーズ上の一太郎で作成した文章は、他社のコンピュータでは文字バケしてしまうことになります。

この状況はWinodowsの登場で多少改善されたとはいえ、現在でも色々な場面で問題を引き起こしています。 NECが依然として他のメーカーと歩調を合わせようとしない現在、この問題を回避するためには、ユーザーの側で機種依存文字を使用しないようにして自衛するしかありません。

一番問題となるのはテキスト形式における罫線文字ですが、コンピュータ通信の世界では、罫線や記号は極力世界共通の半角文字(１バイト文字、例えば「-(マイナス)」や「|(縦棒)」)を使用するのが常識となっています。 左表にコンピュータ通信では使用しないほうがよい機種依存文字をリストアップしておきますので、参考にしてください

なお漢字と半角カタカナ(１バイトのカナ文字)は、ソフトウェアによっては正しく処理されないことがありますので(特にWin95！)、ファイル名やディレクトリ名、さらにドメイン名やワークグループ名には使用しない方が賢明です。 特に、半角カタカナはUNIX系ワークステーションでは確実にエラーの原因となります。