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○IPアドレス(Internet Protocol Address、アイピーアドレス)
IPアドレス(10進数表現)202.237.120.0
内部表現(2進数表現)11001010.11101101.01111000.00000000

TCP/IPで用いられるコンピュータ識別用のネットワーク番号で、左表のようにドット「.」で区切られた4つの10進数で構成されています。

ビットアドレス01234567.89012345.67890123.45678901
クラスA(大規模ネット)
1.xxx.xxx.xxx
|
126.xxx.xxx.xxx
0(7ビット)24ビット
ネットワーク
アドレス
(団体番号)
ローカルホストアドレス
(サブネット番号+機器番号)
クラスB(中規模ネット)
128.1.xxx.xxx
|
191.254.xxx.xxx
10(14ビット)16ビット
ネットワークアドレス
(団体番号)
ローカルホストアドレス
(サブネット番号+機器番号)
クラスC(小規模ネット)
192.0.1.xxx
|
223.255.254.xxx
110(21ビット)8ビット
ネットワークアドレス
(団体番号)
ローカルホスト
アドレス
(サブネット番号
+機器番号)

IPアドレスは内部的には32ビットの2進数表現をとっていて、ネットワークの規模により左表のようなクラスに分類されています。

ネットワークアドレスはネットワークを張っている団体番号を表し、ローカルホストアドレスはその団体内の個々の機器番号を表します。 ただしローカルホストアドレスは、団体内のサブネット番号を表す「サブネットアドレス」と、サブネット内の個々の機器番号を表す「ホストアドレス」で構成されるのが普通です。

例えばある会社が部所ごとに部内LANを持っていて、それらを相互接続する統合的なLANが全社に張ってある場合(これをイントラネットと呼びます)、全社のLANにはネットワークアドレスを、部所内LANにはサブネットアドレスを、部所内の個々のコンピュータにはホストアドレスを割り当てます。

TCP/IPの世界ではIPアドレスが重複することは許されませんので、あるIPアドレスを持つコンピュータは原則として世界でただひとつだけということになります。 このためコンピュータにIPアドレスを付ける場合、欧米では勝手に付けることができず、世界中のIPアドレスを一元管理しているIANA(Internet Assigned Number Authority、アイエーエヌエー)の許可が必要です。

日本では現在のところインターネットに接続する場合だけJPNIC(JaPan Network Information Center、ジェーピーニック)の許可が必要で、それ以外は必要ではありませんが、将来は欧米のように全て許可制になるかもしれません。

なおJPNICに申請した場合、クラスAとクラスBはすでに公共機関や各種研究機関の大・中規模ネットワークで使用されていますので、一般のネットワークにはクラスCが割り当てられます。 しかし最近のインターネットの急激な発展によって、クラスCのIPアドレスも数が足らなくなることが懸念されています。

○インターネットアドレス(Internet Address)
snap@host01.randd.skk.co.jp
国名
組織種別



組織名
(ネットワーク名)
副組織名(サブネット名)
ホスト名(コンピュータ名)
ユーザー名(アカウント名)

インターネットにおけるユーザーの識別コードのことで、主としてインターネット上で電子メールを送受信する際に使用されるため、「E-mail(Electronic mail、イーメイル、電子メール)アドレス」と呼ばれることもあります。 インターネットアドレスは左図のような構造をしています。

「@」以下の部分「host01.randd.skk.co.jp」を「ドメイン名」といい、インターネット内部でIPアドレスに翻訳されます。 ドメイン名中のホスト名は、サブネット内でメールサーバーが1台しかない場合は省略可能であり、特別の場合を除いてメールサーバーは1台だけですので、通常は省略されます。 またネットワークがサブネットに分かれていない場合、またはネットワーク内でメールサーバーが1台だけの場合(たいていは1台だけです)は、副組織名も省略可能です。

ユーザー名はドメイン名で表されるコンピュータにログインする時の識別名で、パソコン通信におけるユーザIDに相当します。 IPアドレスが世界でただひとつしかないのと同様、インターネットアドレスも世界で唯一のものですから、これは世界に通用する個人アドレスとして使用できます。 このため、最近はインターネットアドレスを名刺などに印刷する人が増えています。 ただし女性の場合はネットストーカーからしつこいメール攻撃を受けることがあるそうですから、無闇にインターネットアドレスを公表しないよう、注意が必要かもしれません。

ちなみにストーカーのことを昔はコレクターと呼びましたが、これは孤独な蝶のコレクターが気に入った女性をつけ狙って、誘拐・監禁するという往年の名画「コレクター」に由来します。 この映画のおかげで、多くの昆虫マニアが短絡的な世間の偏見に悩まされることになりました。 それにしてもこの「コレクター」の監督が、「ローマの休日」や「ベン・ハー」で有名な巨匠ウィリアム・ワイラーというのは少々驚きです。

○DNS(Domain Name System、ディーエヌエス)

DNSはインターネットアドレスのドメイン名(「@」以下の部分)をIPアドレスに変換するシステムのことで、このDNSサービスをサポートするサーバーを、「DNSサーバー」または「ネームサーバー」といいます。

インターネットを通して電子メールを出したり、他のローカルネットにアクセスしたりする場合、まず最初にDNSサーバーにアクセスし、ドメイン名をIPアドレスに変換してもらう必要があります。 ただしDNSサーバーだけは、ドメイン名ではなIPアドレスを直接指定してアクセスします。 このためインターネットの設定をする場合、いきなりIPアドレスという魔法の数字を設定せよと指示されるので、コンピュータ初心者はわけがわからずに戸惑ってしまうことが多いようです。 また本来は自分のコンピュータのIPアドレスも設定する必要がありますが、通常はサーバーが自動的に割り当ててくれますので、自分で設定する必要はありません。

DNSサーバーがないPeer to Peer形式TCP/IPネットワークの場合、それぞれのコンピュータがドメイン名とIPアドレスの対応表を持つことによって、ドメイン名を使うことが可能です。 UNIXの場合はetcディレクトリの下のhostsというファイルが、WindowsNTによるLANの場合は、Windowsディレクトリの下のHOSTSというファイルがIPアドレスとドメイン名の対応表を保存するためのものです。

○WINS(Windows Internetwork Name Service、ウィンズ)

Windows環境で利用されるネームサービスで、UNIXにおけるDNSに相当します。 WINSはWindowsNT Server上で稼動し、DHCPで動的に割り当てられたものも含めてノードとIPアドレスの関係を管理し、ドメイン名やコンピュータ名をIPアドレスに変換します。 そして、他のWINSサーバーやインターネットのDNSサーバーとも連動して動作しますので便利です。

WindowsNT WorkstationやWindows95はWINSクライアント機能を持っており、Windows3.1やMS-DOS用のWINSクライアントソフトウェアも用意されています。 WINSサーバーがないPeer to Peer形式のMicrosoftネットワークでNBTを利用する場合、それぞれのコンピュータがドメイン名またはコンピュータ名とIPアドレスの対応表を持つことによって、コンピュータ名やドメイン名を使うことが可能です。 その対応表がWindowsディレクトリの下のHOSTSとLMHOSTSというファイルです。 HOSTSはUNIXにおけるhostsファイルに相当し、ドメイン名とIPアドレスの対応表を保存し、LMHOSTSはコンピュータ名とIPアドレスの対応表を保存します。

○DHCP(Dynamic Host Configration Protocol、ディーエイチシーピー)

TCP/IPを使ったネットワーク上で、各ノードにIPアドレスを自動的に割り当て、自動的に回収するためのプロトコルで、BOOTPプロトコルを拡張したものです。 ノードとなるDHCPクライアント(コンピュータやゲートウェイ等)が、ブート時(起動時)に自分のEthernetアドレスをDHCPサーバーに送信すると、DHCPサーバーは空いているIPアドレスとTCP/IP関連パラメータを一定期間(数日〜数十日)貸し出してくれます。 そしてそのIPアドレスとTCP/IP関連パラメータに基づいて、DHCPクライアントは自分のTCP/IP環境を自動的にセットアップします。 貸し出し期限が過ぎた時点で、DHCPクライアントが期限延長要求を送信しなければ、DHCPサーバーはIPアドレスを回収し、他のノードの要求に備えてストックします。

DHCPは少ないIPアドレスを有効に利用することができる上、クライアント側でのTCP/IPのセットアップが簡単になるので、IETFのRFC(Request For Comments)で規定され、インターネットでも利用されています。 またWindowsNT ServerはDHCPサーバー機能を持ち、WindowsNT WorkstationやWindows95はDHCPクライアント機能を持っており、Windows3.1やMS-DOS用のDHCPクライアントソフトウェアも用意されています。 したがってMicrosoftネットワークでTCP/IPプロトコル(NBT)を用いる場合、DHCPとWINSをセットにして利用しますと、簡単かつ効率的で柔軟性の高いLANを構築することができます。