スイスのジュネーブにある分子物理研究所CERN(セルン)によって開発された、インターネット上の分散型情報検索システムで、「W3」または単に「Web(ウェブ、クモの巣のこと)」とも呼ばれます。 Webはハイパーテキスト(Hyper Text)と呼ばれるテキスト・画像・音声などの各種データや、他のホストコンピュータ名などのネットワークオブジェクト情報を有機的に関連付けた、総合的なデータの集合から構成されていて、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol、エイチティーティーピー)というプロトコルを用いてハイパーテキストを転送するとともに、必要なデータを高速に検索します。
通常、ハイパーテキストはHTMLという言語によって記述されており、それを読み込み、Webにアクセスして検索結果をクライアントの画面上に表示するソフトのことをWebブラウザ(あるいはWebビューワ、Webクライアント)といいます。 WebブラウザとしてはNCSAのMosaic(モザイク)や、Netscape communications社のNetscape Navigator(ネットスケープナビゲイター)、そしてMicrosoft社のInternet Explorer(インターネットエクスプローラ)などが有名です。
Webブラウザを用いますと、ユーザーはネットワークやデータベースシステムの構造を意識せずに、必要な情報を簡単に取り出すことができます。 このWebとWebブラウザの開発と普及により、インターネットはそれまでのコンピュータ専門家だけのクローズドなネットから、ごく普通の一般人が気軽に参加できる、世界的規模のオープンなネットに変貌したと言っても決して過言ではありません。 事実、今巷で話題の「ホームページ(本来はWebサイト)」の実体は、HTMLで記述されたWebのハイパーテキストであり、インターネット上でやり取りされている情報は今や大半がハイパーテキストになっていますから、「インターネット=ホームページ(=ハイパーテキスト=Web)」と思っている人も多いと思います。
WebはHTTPだけでなく、FTP、Network News、Gopherといった他のプロトコルも取り込み、またWebブラウザはWebだけでなく電子メール機能なども取り込んで、現在も急速に発展し続けています。 Webの発展と普及がインターネットの将来を左右するのは間違いなく、これからもその動向が大いに注目されるところです。
インターネット上の分散型情報検索システムであるWebにアクセスして、検索結果をクライアントの画面上に表示するソフトのことで、Webクライアントプログラムの一種です。
Webができた当初は、Webブラウザはテキスト表示をベースとしたものでしたが、1993年にアメリカ・イリノイ州立大学のNCSA(National Center for Supercomputing Applications、エヌシーエスエー)が、画像情報まで表示可能なWebブラウザであるMosaic(モザイク)を開発し、それによってインターネットはマルチメディア環境へと移行しました。 このMosaicの爆発的な人気と可能性に目をつけた、シリコングラフィックス社の創立者ジェームズ・クラーク(James H. Clark)氏が、Mosaic開発チームのメンバーをNCSAからごっそり引き抜いて作った会社が、Netscape communications社(最初の社名はMosaic communications社)で、この会社が開発したWebブラウザが、現在最も人気のあるNetscape Navigator(ネットスケープナビゲイター)です。
そして例によってそのNetscapeをマネし、強引に自社のOS上への囲い込みを図ったWebブラウザが、Microsoft社のInternet Explorer(インターネットエクスプローラ)です。 このネスケ(インターネット通はNetscapeをこう呼び、もっと通は「Mozilla」と呼びます)対IE(インターネット通はInternet Explorerをこう略します)のシェア争いは、現在一番ホットな話題であり、ネットサーファー達の注目の的となっています。
Webのハイパーテキストにおいて、Webブラウザで1画面に表示される情報単位を「Webページ」または単に「ページ」といい、複数のWebページから構成された一連のハイパーテキスト群を「Webサイト」といいます。 インターネットの爆発的な普及により、Webサイトは世界に向けて情報を発信し、世界からの反応や情報を収集することのできる、便利で多様な可能性を持つ双方向のコミュニケーション手段になりました。 このためWebサイトを開設する企業や個人が急増中で、Webサイトを持つことは、今や世界的なトレンドになっていると言っても過言ではないでしょう。
「ホームページ」とは、元々はWebブラウザを起動した時に最初に表示されるWebページのことでしたが、それがWebサイトの中で一番最初に表示されるトップページの意味に転用され、さらにWebサイトそのものを指す言葉として流用されました。 色々なWebサイトにアクセスする場合、普通はトップページのURLアドレスを指定してアクセスし、さらに一番よく利用するWebサイトをブラウザのホームページとして登録しますので、「ホームページ」という言葉がそのように転用されたり流用されたりしたのはわからないでもありません。
このように一口にホームページといっても色々な種類があり、例えば非常にオーソドックスで基本的なものをホームベース、真っ正直で直接的なものをホームストレート、粋でしゃれているものをホームシック、内向的で内にこもった感じのものをホームイン、部屋の内装関係のものをホームルーム、土地関係のものをホームグラウンド、鋼鉄関係のものをホームスチール、ランナーのためのものをホームラン、バンドのドラマーのためのものをホームドラマ、メイドさんのためのものをホームメイド、スパンキング愛好者のためのものをホームスパン、甘いものをホームスイートホーム、ホームページの無いものをホームレスなどと通称しています。
Webのハイパーテキストを記述するための言語で、この言語によって記述された色々な情報が、Webブラウザによって画面上に表示されます。 HTMLはタグ(tag、札のこと)を使って文章の論理構造を記述する文章構造記述言語の一種で、記述コマンドをタグ記号「<>」で囲った「<コマンド名>」という形式のコマンド記述方式を採用しています。
<HTML> | ←HTMLの記述開始 |
<HEAD> | ←ヘッダ部の記述開始 |
<TITLE>タイトル</TITLE> | ←タイトルを表示する |
</HEAD> | ←ヘッダ部の記述終了 |
<BODY> | ←本文の記述開始 |
<H1>見出し</H1> | ←見出しを表示する |
<HR> | ←罫線を引く |
<P> | ←段落開始 |
ここからが本文です。<BR> | ←文字を表示して改行する |
文章中で改行しても | |
表示は改行されません。 | |
</P> | ←段落終了 |
</BODY> | ←本文の記述終了 |
</HTML> | ←HTMLの記述終了 |
上の例のように、HTMLは全てテキスト形式であり、HTMLで記述したファイルも、ファイル名の末尾に「.html(または.htm)」という識別子を付けること以外は、ごく普通のテキストファイルです。 このため特別な作成ソフトを使う必要はなく、普通のテキストエディタ(Windowsのアクセサリであるメモ帳もこの一種です)で簡単に作成することができます。 またインターネットの爆発的な普及と、世界的なデータ形式標準化の流れに沿って、最近はワープロソフトもHTML形式をサポートするものが増えてきています。
ワープロソフトの文章ファイルと違って、HTML形式はソフトウェア依存性や機種依存性が少なく、しかも取り扱いが簡単ですので、インターネット上に限らず、様々な情報をやり取りする場合の世界的な標準形式となりつつあります。