こうして神社の変遷がわかると、お宮さん騒動の原因はすぐに理解できました。 昭和50年代の神社の改築と土地の整理の際、本来ならば境内の町有地を神社の所有地にし、参道の両側の公園を町有地にしなければならなかったのに、その手続きを怠ってしまったのです。 また参道の入り口付近の私有地は、本来ならば神社の所有地にしなければならなかったのに、この手続きも怠ってしまったのです。
この原因がわかれば解決法は自ずと決まります。 その解決法とは次のようなものです。
つまり玉垣で囲まれた境内の町有地と、参道の両側の神社名義の公園の土地を交換し、参道の入り口付近の私有地を神社に寄付してもらうというものです。 幸い境内の町有地と参道の両側の公園はほぼ同じくらいの面積だったので、金銭を伴わずに土地交換ができそうでした。 また私有地の地主は長老Tさんの一族だったので、ほぼ確実に無償で土地を神社に寄付してもらえそうでした。
しかしこの解決法1を実行するには正確な測量と面倒な手続きが必要であり、かなりの費用と時間がかかりそうでした。 そこで当面の危険性を少しでも減らすために、次のようないくつかの応急処置も考えました。
これは名目上だけでも政教分離の原則を破らないためと、町有地を無償で使用させてもらう理由付けのためです。 もちろんこれが詭弁に過ぎず、単なる気休めにしかならないことは十分にわかっていました。 しかしこれは費用をかけずにできる対応策ですから、やらないよりはやっておいた方がいいだろうと考えたのです。
2番目の応急処置は次のようなものです。
これは公園の管理責任が地区にあることを明確にすると同時に、地区の会計から神社の会計に正々堂々と金銭を提供するための方策です。 何しろ解決法1の実施にはかなりの費用がかかることが予想され、神社の乏しい収入ではそれを賄いきれないことがほぼ確実でした。 そこでこの方法によって、地区の会計から神社の会計に実質上の補助金を提供しようと、いかにも”悪徳窓際幽霊社員(^^;)”らしい腹黒い策を考えたわけです。
将来、解決法1が完了して参道の両側の土地が町有地になれば、この賃貸契約は自動的に解消することになります。 その時、解決法1のための費用が神社の会計で賄いきれていなければ、その時は次のような方策に変更することにしました。
そして解決法1のための費用を神社で賄うことができた時点で、この契約書の「有償」を「無償」に変更し、神楽倉庫の貸借関係を継続します。 いくら無償でも、自治会と神社の間の”なあなあの関係(^^;)”によって暗黙のうちに神楽倉庫を借りるよりも、正式な契約書によって貸借関係を明確にしておいた方が色々な面で良いはずです。
それ以外にも、神社の会計を助けるために次のような方策も考えました。
これは「選挙四方山話」の第4章の2で説明した地区の政教分離政策に関連したことです。 詳しい説明はそのページを読んでもらうとして、この政教分離政策を実施した時、地区の負担分が10万円ほど増え、その分だけ神社の収入(氏子会の収入)が増えるようにしました。 これは氏子会の賛同を得られやすいようにするためと、実はこの応急処置2.3のためでもありました。 これも、いかにも”悪徳窓際幽霊社員(^^;)”らしい腹黒い策です。
それ以外に次のような”セコイ策(^^;)”も考えました。
これは僕の一存で実行できることでしたし、僕が先鞭をつけることによって、僕以後の区長も、理由について深く考えることなく同じ慣習に従ってくれると思ったのです。
ちなみに僕以前の区長は、某県知事の靖国神社玉串料と同様に、お神酒代を自治会会計から支出していました。 しかし僕は寸志を区長のポケットマネーから出すという慣習に変えました。 別に玉串料訴訟の最高裁判決を見習ったわけではありませんが、自治会と神社の政教分離政策を推進している僕自身がそれに反するようなマネはしたくなかったのです。
このように腹黒い策からセコイ策まで、ありとあらゆる方策と手練手管を用いて神社の会計を助けるようにしました。
これらの解決法と応急処置は、氏子総代さんにも宮司さんにも受け入れられるという確信がありましたし、僕自身も納得していました。 しかし念のために、神社関係のプロに検討してもらうことにしました。 そこでパソ通仲間の神社関係のプロに相談したところ、神社庁にそういった問題の専門家がいるので、その人を紹介してくれることになりました。
そしてパソ通仲間と一緒に神社庁に行き、その専門家にお宮さん騒動の経緯と解決法を聞いてもらい、法律的に問題がないかどうか、実施可能なことかどうかを検討してもらいました。 その専門家は僕が調査した神社の変遷を聞き、「物好きだ!(+o+)」とあきれていましたが、解決法については法律的に特に問題はなく、実施可能だと確認してくれました。
こうしてその道のプロのお墨付きを貰った僕は、自信を持ってその解決法と応急処置を実行に移すことにしました。