数字の「1」と四則演算記号「+−×÷」を何個か使って計算式を作った時、その答が「1」になる計算式は何通りあるでしょうか? ただし算数ですから、式の先頭に「+」または「−」は付けず、括弧は使わないことにします。 (→第1問へ)
「1」がn個の時、演算記号の数は(n-1)個あります。 そして演算記号が全て「×」か「÷」の時、その計算式の答は1になります。 この場合、(n-1)個の演算記号は「×」と「÷」のどちらでも良いため、計算式は2n-1通りあります。
次にこの計算式の中の2個の演算記号を「+」と「−」に置き換えると、その計算式の答も1になります。 何故ならその計算式は「+」と「−」によって3つの部分に分けられ、それぞれの部分は「×」と「÷」だけを組み合わせた部分計算式か、それとも数字の「1」になります。 その結果、計算式全体は3個の「1」のうちの2つを足して1つを引くことになり、答えが1になるからです。
この時、(n-1)個の演算記号のうちの2個が「+」と「−」に置き換わるため計算式の個数は2n-3個になり、とりあえず4分の1に減ります。 そして「+」を置き換えることのできる演算記号の位置は(n-1)個あり、それらのそれぞれについて次の「−」を置き換えることのできる位置は(n-2)個あります。 その結果、2個の演算記号を「+」と「−」に置き換えた計算式は、全てが「×」か「÷」の計算式の個数を22=4で割り、(n-1)と(n-2)を掛けた個数になります。
さらにこの計算式の「×」または「÷」の演算記号の中の2個をまた「+」と「−」に置き換えると、その計算式の答も1になります。 つまり「+」と「−」の演算記号が同じ数だけあり、残りは全て「×」または「÷」の演算記号でできた計算式は答えが1になるわけです。 この時、2個の演算記号が「+」と「−」に置き換わるため、計算式の個数はまた4分の1に減ります。 そして「+」を置き換えることのできる演算記号の位置は、すでに2個が置き換わっているため2つ減って{(n-1)-2}=(n-3)個になり、それらのそれぞれについて「−」を置き換えることのできる位置は(n-4)個になります。
ただしこの場合、計算式の中に「+」が2個と「−」が2個あるため、結果として同じ計算式が(「+」の重複分2個)×(「−」の重複分2個)=4個分だけ重複してしまいます。 例えば「1」が5個の時、「1×1×1×1×1」について最初に2個の演算記号を置き換えて「1+1−1×1×1」と「1×1×1+1−1」を作ったとします。 次に残りの2個の演算記号を置き換えて、「1+1−1×1×1」→「1+1−1+1−1」と「1×1×1+1−1」→「1+1−1+1−1」を作ったとします。 するとこれらの計算式は、演算記号を置き換える順番は違っているものの、できた計算式は2つとも同じものになります。
したがって4個の演算記号を「+」と「−」に置き換えた計算式は、2個の演算記号を「+」と「−」で置き換えた計算式の個数を4で割って(n-3)と(n-4)を掛け、さらに2×2で割った個数になります。 このことからj個(偶数)の演算記号を「+」と「−」で置き換えた計算式の個数は、(j-2)個の演算記号を「+」と「−」で置き換えた計算式の個数を4と(j/2)×(j/2)で割り、さらに{(n-1)+2-j}=(n+1-j)と{(n-1)+1-j}=(n-j)を掛ければ求められることがわかると思います。
このように2個の演算記号を次々と「+」と「−」に置き換えていくと、nが奇数の時は演算記号の個数(n-1)が偶数のため、最終的に全ての演算記号が「+」と「−」に置き換わった計算式になります。 そしてnが偶数の時は演算記号の個数(n-1)が奇数のため、最終的に(n-2)個の演算記号が「+」と「−」に置き換わり、1つだけが「×」または「÷」である計算式になります。 そしてこれらの計算式は全て答が1になるため、計算式の個数はそれらを全て合計した個数になります。