「国家が総力を上げて作り上げた大きな嘘は、いつの時代でも見破るのは容易ではない。そして、それに従った開拓団も義勇軍も、客観的には侵略者であったという事実は打ち消せない。国家の政策に純粋に協力しただけと言っても、この事実は一人ひとりが責任を問われる事になる。国家に尽くした日本国民は、加害者であって被害者であったのです」
満州からの引き揚げ者であった僕のオヤジさんも、国家の嘘に騙されて侵略戦争に加担し、間接的にせよ多くのアジアの人達の命を奪ったことと、多くの同胞を残して自分だけ生きて帰国したことを深く悔いていました。そのせいか、僕が子供の頃からボランティア活動に熱中し始め、僕もオヤジさんに連れられて一緒に活動したりしました。