1150. 「ある日どこかで」  とものり [URL]  2003/06/18 (水) 12:16
・「ある日どこかで(Somewhere in Time)」ヤノット・シュワルツ監督、1980年、アメリカ、衛星映画劇場

 リチャード・マシスンの同名のSF小説を映画化した作品で、脚本家でもある原作者が自ら脚本を書いています。原作がけっこうお気に入りの作品なのでレンタルビデオ屋でビデオをずっと探していましたが、思いがけず衛星映画劇場で放映してくれました。(^^)v

 この作品はジャック・フィニーの名作「ふりだしに戻る」を本歌とする本歌取りであり、本歌同様、甘く切ないファンタジーです。原作には出てきませんが、映画にはジャック・フィニー教授というキャラクターが出てきて、精神力によるタイムトラベルの方法を主人公に説明します。これはフィニーのファンであるマシスンの、フィニーに対するオマージュでしょう。

 原作を先に読んでいて、しかもけっこうお気に入りなのに、映画を見ても珍しくガックリせず、むしろ原作を読んでいたせいで映画をより面白く観ることができました。また物語の舞台となるホテルについて、原作を読んだだけではいまいち不明確なイメージしか思い描けなかったんですが、映画を観て明確なイメージを思い描けるようになりました。

 これは原作者が脚本を書いていることと、作品の舞台であるホテルのたたずまいが作品の重要な要素になっていることが大きな要因のような気がします。

 いまどきはやらないような甘く切ないメロドラマですが、たまにはこんなセンチメンタルにドップリ浸るのいいもんです。(*^^*)

                            とものり



1149. 「マルコヴィッチの穴」 とものり [URL]  2003/06/16 (月) 16:37
・「マルコヴィッチの穴(BEING JOHN MALKOVICH)」スパイク・ジョーンズ監督、1999年、アメリカ、衛星映画劇場

「なあ、ちょっと考えたんだけど、他人になれたら面白いと思わないかい?」
「他人になれたら…?どーゆーこと、それ?」
「つまりさ、他人の目を通して世の中を見ることができたら、きっと面白いんじゃないかと思ってさ。例えばさ、ある人の頭の中に通じてる穴があって、その穴からその人の頭の中に入ることができて、その人の目を通して色々な体験ができる、なんてのはどうだい?」
「ふぅ〜ん、その穴を通ると有名人になれたり、女が男になれたりするってわけ?なるほど、けっこー面白そーじゃん、それ」
「だろ?そういう他人になってみたいって願望は、わりと誰にでもあるとおもうんだよな。そんな願望がかなえられる穴があったら、みんな入りたがるぜ、きっと」
「そーかもね。じゃあさー、もしその本人がその穴の中に入ったら、一体、どーゆーことになっちゃうわけ?」
「本人が入ったら…?うーん、そうだなぁ、本人が入ったら、例えば周囲の人間がみんな自分に見えてしまうってのはどうだい?男も女も子供も老人も、みんなその本人に見えてしまうわけさ。けっこうシュールでナイスな世界だぜ、これは」
「うんうん、面白そーね、それ。で、それが、今度撮る映画のメインアイデアってわけなの?」
「実はそうなのさ。それで、そんなシュールな役ができそうな役者といったら、誰かなぁ?」
「そーねー、そーゆーシュールな世界が似合う役者っていったら、何てったってジョン・マルコヴィッチじゃない?」
「なるほど、ジョン・マルコヴィッチか…!よーし、『マルコヴィッチの穴』で決まりだな!」

 …というような発想で作られたのではないかと思える作品です。(^^;)

 ただ前半のナンセンスでシュールな世界は実にいいのですが、残念なことに物語に起承転結をつけるために、後半で男女の愛とか穴の説明とかいった理屈を無理に入れてしまっています。

 最初から最後までナンセンスとシュールで押し通すのはかなりの力技であり、相当の才能と興行成績無視の居直りを必要とします。アメリカ式娯楽映画にそれを求めるのは無い物ねだりであることは重々承知していますが、前半のナンセンスでシュールな世界がいいだけに、少々残念です。(~.~)

                            とものり



1148. 「花嫁の父」 とものり [URL]  2003/06/15 (日) 10:49
・「花嫁の父(Father of the Bride)」ビンセント・ミネリ監督、1950年、アメリカ、衛星映画劇場

 「花嫁の父」、つまり娘を嫁にやる父親の心情を絵に描いたようなコメディ。(^^;)

 気恥ずかしくなるほどベタで、陳腐で、ステロタイプで、月並みで、ありきたりなんですが、それだけ花嫁の父の気持ちというものは、国にも人種にも風俗習慣の違いにもよらず世界共通ということなんでしょう。

 年頃の娘を持つ身としては、この手の作品はどうしても感情移入しすぎてしまい、まともに観ることができなくていけません。(^^;)

 それにしても、娘役のエリザベス・テーラーの絵に描いたような美貌には驚かされます。欠点のないのが唯一の欠点と言えるほど完成されていて、少々近寄りがたい感じさえします。

                            とものり



1147. 「あした」 とものり [URL]  2003/06/14 (土) 09:41
・「あした」大林宣彦監督、1995年、日本、深夜映画劇場

 大林宣彦監督の新尾道3部作の2作目で、例によって美少女を集め、観客サービスという口実で彼女らを脱がせて楽しんでいます。(^^;)

 それを含めていつもの大林ワールドなんですが、何となくそつなくまとめた感じで情熱が希薄な感じがします。グランドホテル式に登場人物とエピソードを詰め込みすぎて、焦点がぼやけてしまったせいかもしれません。

 ただ、この作品がデビュー作となった宝生舞がやたらときれいです。とにかく他の女優の影を薄くしてしまうほどキラキラと輝いていて、特にファンでもない僕でさえ目をひきつけられてしまいました。

                            とものり



1146. 「フラメンコ」 とものり [URL]  2003/06/13 (金) 16:40
・「フラメンコ(Flamenco)」カルロス・サウラ監督、1995年、スペイン、深夜映画劇場

 カルロス・サウラ監督はフラメンコに関するドキュメンタリー映画をいくつも撮っていて、この作品はその集大成ともいうべき作品です。

 ご存知のように、フラメンコは歌と踊りとギターが一体となったスペイン独特の芸能で、この映画にはフラメンコのオールスターが勢ぞろいしていて、それぞれが円熟した芸を披露しています。

 若かりし頃、ギターを弾いていて、一応、フラメンコギターもかじったことのある僕は最初から最後まで画面に見入りっぱなしで、見終わった後、無性にフラメンコギターが弾きたくなりました。

 う〜ん、本場のフラメンコはさすがにスゴイ!p(*o*)

                            とものり



1145. 「チャンス!」 とものり [URL]  2003/06/11 (水) 08:14
・「チャンス!(The Associate)」ドナルド・ペトリ監督、1996年、アメリカ、衛星映画劇場

 腕利きのキャリアウーマンが会社の差別待遇に不満を持ち、自分の会社を設立するが、男社会のため客に相手にされない、そこで架空の男性上司をでっち上げ、次々と業績を伸ばしていく……というストーリーの骨子は、昔のTVドラマ「探偵レミントン・スティール」のパクリですが(^^;)、キャリアウーマン役をウーピー・ゴールドバーグがやっているところがミソです。

 ウーピー姉貴が演じると、腕利きのキャリアウーマンというよりも、もっと生活力とバイタリティのあるやり手婆のように見えてきますが(^^;)、ウーピー節全開で気持ちよさそうに演じています。

 それにしてもこの作品といい「探偵レミントン・スティール」といい、女性の社会進出がめざましいというイメージのあるアメリカでこういった作品が作られるということは、我々のイメージとは裏腹に、キャリアウーマンに対する社会の差別がまだまだあるということなのでしょうか。

 もっともこの種の作品が日本で作られたら、コメディではなく社会派のシリアスドラマになるか、それとも企画の段階でつぶされるような気がしないではないですが……。(^^;)

                            とものり



1144. 「フィオリーレ/花月の伝説」 とものり [URL]  2003/06/09 (月) 08:36
・「フィオリーレ/花月の伝説(FIORILE)」パオロ・タヴィアーニ/ヴィットリオ・タヴィアーニ監督、1993年、イタリア/フランス/ドイツ、衛星映画劇場

 中世と現代が伝説によって結びつけられ、時間を超えて物語が行き来する、いかにもヨーロッパらしい作品。ただ、伝説を生かした叙情的な映像詩にするのか、因果応報的なストーリーを追うのか、狙いがいまいち定まっていない感じがします。

 それからヨーロッパ映画らしく子役の使い方が巧みだけど、僕好みの美少女じゃないのが残念!(^^;)

                            とものり



1143. 「ナンニ・モレッティのエイプリル」 とものり [URL]  2003/06/07 (土) 10:09
・「ナンニ・モレッティのエイプリル(Aprile)」ナンニ・モレッティ監督/脚本、1998年、フランス/イタリア、衛星映画劇場

 「息子の部屋」の監督であるナンニ・モレッティが、自らを主人公にして撮ったエッセイ映画。やたらと饒舌で、やたらと繊細で、やたらと能天気で、一体、何なんだこの監督は、何なんだこの映画は!? (+o+)

 こういう自意識の塊のようなものを映画にしようという発想が、ブッ飛んでいるというか素晴らしいというか、とにかく一筋縄ではいかない監督です。

 日本人は伝統的に私小説やエッセイを好むところがありますが、こういったエッセイ映画はほとんどないように思います。作った監督のファン以外には全く面白くない映画になりそうですが(^^;)、たまにはこういった映画があってもいいような気がしますね。

                            とものり




1142. 「新世紀未来科学」 とものり [URL]  2003/06/05 (木) 14:38
・「新世紀未来科学」金子隆一、八幡書店、2001年2月発行

 SF小説に登場する科学技術とその未来をジャンル別に解説したもので、「SFを科学する」(石原藤夫・福江純、講談社ブルーバックス)と「SFはどこまで実現するか」(ロバート・L・フォワード、講談社ブルーバックス)を合わせたような感じの本。

 内容的に目新しいものは少ないのですが、非常に多くのジャンルを、かなり最近の情報まで取り入れてカバーしているのには感心します。

 ただ、コンピュータと情報技術分野に関してだけはすでに少々時代遅れになってしまっているところがあり、あらためてこの分野の進歩の速さに驚かされます。

                            とものり



1141. 「鉄腕アトムの軌跡展」 とものり [URL]  2003/06/04 (水) 12:49
 昨日(6月3日)、JR名古屋タカシマヤでやっている「鉄腕アトムの軌跡展」に行ってきました。展示内容そのものは知っているものばかりで、特に目新しいものはなかったのですが、鉄腕アトム以外の手塚治虫の生原稿がたくさん展示されていたのでじっくり見てきました。

 それから数日前に読んだばかりの「新世紀未来科学」に写真入りで紹介されていた、ホンダの量産型2足歩行ロボット「ASIMO」の実物デモを見ることができたのは思わぬ収穫でした。(^o^)v

 何でも去年の10月にタカシマヤに入社し、現在、全国のタカシマヤで研修中だそうです。たぶん、「鉄腕アトムの軌跡展」が全国を回るのに合わせて全国の支店を回るのでしょう。

 ASIMO君はなかなかスムーズに2足歩行し、腕と指もけっこうスムーズに動かせます。「新世紀未来科学」によると、ASIMO君は自律的に歩くことだけはできるものの、上半身の動きは遠隔操作とのことでした。

 でも昨日のデモでは、あらかじめ録音されていると思われる声に合わせて動いていたせいか、観客の反応に合わせて臨機応変に動くというわけではありませんでした。そのせいで、かえってASIMO君が全ての動きを自律的に行っているように見え、リアルなロボットくささ(?)がありました。(^^;)

                            とものり



1140. Re: 良い天気ですねぇ♪ とものり [URL]  2003/06/04 (水) 08:59
>ロートル川崎さん

>>台風がまた近づいて来ていまして、今度の土日は雨模様?

 うーむ、今回の台風は週末までに行ってしまいそうですけど、このところ週末ごとに雨が降ってますよね。そのせいで、せっかくいい季節なのに遊びにいけません。

 おかげで、レンタルビデオを借りてきて映画ばかり観てますよ。(^^;)

>>また遊びに来ますので、誰でもいいですから遊んでやってくださいね。 (-人-)

 はーい、いつでも遊びに来てください、一緒に遊びましょう!(^o^)/

                            とものり



1139. 良い天気ですねぇ♪ ロートル川崎  2003/06/03 (火) 15:05
ども。スナップさん&みなさんお元気ですか(^_^;;;

台風がまた近づいて来ていまして、今度の土日は雨模様?
それにしても今日のこの嫌がらせのような好天は何なんでしょう(~.~;;
こうして窓から外を見渡してますと道行く車はとても忙しそうで、しかも沿道の樹木は青々として若々しい。
つい自分の存在感を改めて問い直したくなるようなそんな心境なんですけど、みなさん理解して頂けますでしょうか?(^^;;;
とか何とか言っているうちに3時のおやつの時間です♪
また遊びに来ますので、誰でもいいですから遊んでやってくださいね。 (-人-)




1138. 「ル・ブレ」 とものり [URL]  2003/06/02 (月) 15:55
・「ル・ブレ(LE BOULET)」アラン・ベルベリアン/フレデリック・フォレスティア監督、2002年、フランス、レンタルビデオ

 試写会の招待券が当たったのに地元自治会の仕事で観に行けず、代わりにカミさんが観に行った無念の作品。(^^;)

 宝くじの当たり券を追って脱獄囚と看守がパリ=ダカール・ラリーに飛び入り参加し、それをギャングと警察が追いかけるというドタバタ・アクション・コメディです。

 車好きのフランス人らしい迫力あるカーチェイスと、とぼけたギャグのミスマッチが、ハリウッド映画とは一味違ったいい味を出しています。また登場する車がなかなか凝っているので、車好きの人にはお勧めです。(^_-)

                            とものり



1137. Re: えっと・・・ とものり [URL]  2003/06/01 (日) 12:00
>NEGIさん

>> 両方ともタッチの差で難を逃れておりますが、2度あることは3度あるとか申し
>>ます、今度伊豆方面に行く用事があるのですが、その時には東海地震とか火山の噴
>>火とかタマちゃんの出現とかになるのでせうか。

 う〜む、それは地元で祓った悪霊をエクソシストのように我が身に取りつかせ、地方に行って捨ててくるからでしょう。ひょっとして、業務用コスチュームのひとつである白装束を着て、自動車の団体で行きませんでしたか?(^^;)

 今度伊豆方面に行かれるんでしたら、東南海地震の悪霊を連れて行き、向こうで東海地震の悪霊と仲良くさせ、そのままアメリカのペンタゴンあたりまで捨てに行ってほしいですねぇ。(^^;)

                            とものり



1136. えっと・・・ NEGI  2003/05/31 (土) 09:55
 お久です。
 先日、姫路方面に家族旅行したのは既にお話したとおりでありますが、そのほぼ1週間後に例のSARS騒ぎが勃発いたしました。

 その時は何とも思わなかったのでありますが、次に例の団体の支部旅行で宮城、岩手方面を巡りました。
 そしたら、またほぼ1週間後に震度6弱の地震が発生いたしました。

 両方ともタッチの差で難を逃れておりますが、2度あることは3度あるとか申します、今度伊豆方面に行く用事があるのですが、その時には東海地震とか火山の噴火とかタマちゃんの出現とかになるのでせうか。

 心配で3度の食事が4度になり、おまけに夜しか寝られず昼寝も出来ません。

 誰かお祓いしてくれ〜   NEGI
 



1135. Re: ご無沙汰してます とものり [URL]  2003/05/30 (金) 08:48
>ヨシミツさん

>>今、わが家は、カミさんと2人だけです。

 おぉ、ヨシミツさんちもそういう境遇になりましたか。うちは数年前からそういう境遇で、おかげでよせばいいのに地元の自治会関係の仕事に首を突っ込み、いまだに完全には足が洗えなくて困ってますよ。(^^)ゞ

 今、下の娘が就職活動で帰省してますよ。今は、就職活動もずいぶん早くからやるんですねぇ。

 リクルートスーツとか、会社訪問マニュアルとか、就職試験マニュアルとか、面接マニュアルとか、僕のような悪徳窓際幽霊社員から見ると、笑ってしまうような就活グッズもたくさん出てますよね。(^^;)

>>義父からWin95をもらって、
>>わが家の3台目のマシンにしました。

 うちのカミさんのマシンもちょっと前までWin95でしたよ。贅沢を言わなければ、けっこう使えますよね。

                            とものり



1134. ご無沙汰してます ヨシミツ  2003/05/29 (木) 20:59
ご無沙汰してます > ALL
元気でやってます。

この4月から、
下の子どもも県外へ行ったので、
今、わが家は、カミさんと2人だけです。

そうなったら、あれもやってみたい、
これもやってみたい…、
なんて思ってましたが、
なかなか出来ないものですね(苦笑)。

でも、ひとつだけ。
義父からWin95をもらって、
わが家の3台目のマシンにしました。

リカバリーをして、
アプリをインストールしたりしました。
95ですけど、けっこう使えますね。

***ヨシミツ



1133. 「少林サッカー」 とものり [URL]  2003/05/28 (水) 08:18
・「少林サッカー(Siu lam juk kau)」チャウ・シンチー/リー・リクチー監督、2001年、香港、レンタルビデオ

 これも、地元の役員の仕事のために今まで観れなかった映画のひとつ。とにかく理屈抜きに(というよりも、この種の作品に理屈を入れるのはヤボ(^_-))大笑いでき、大いに楽しめました。

 日本のマンガ、特に「アストロ球団」などのスポーツマンガを研究して作ったというだけあって、登場人物やストーリーが見事にマンガのパターンにはまっています。そのため、導入部を観ただけで途中の展開やオチが読めるにもかかわらず面白いというか、そうこなくちゃ面白くないといった感じで、マンガ好きのツボを押しまくってくれます。

 また全体がギャグ仕立てなので、生身の人間がワイヤーアクションをする違和感をシリアスな作品ほどは感じません。

 唯一の不満はチャウ・シンチーの「美女のブスメイク趣味(^^;)」で、美少女キャラが日本のマンガの大きなチャームポイントのひとつであることを知りつつ、その期待に確信犯的な背負い投げを食らわせてくれます。

 美少女キャラフリークの僕としては、実に残念というかもったいないというか、とにかく可愛い娘をもっと見せてくれ〜〜っ!g(ToT)

                            とものり



1132. 「シーズンチケット」 とものり [URL]  2003/05/26 (月) 12:20
・「シーズンチケット(Purely Belter)」マーク・ハーマン監督・脚本、2000年、イギリス、レンタルビデオ

 イギリスの労働者階級の子供を主人公とした点、家族、特に父親との関係がテーマのひとつとなっている点など、同じ年に公開された「リトル・ダンサー」と似通った素材を扱っていながら、雰囲気は対照的といってもよいほど違っています。

 「リトル・ダンサー」が心温まる純情下町少年物とすれば、こちらはシニカルで乾いた感じの不良少年物で、何となく「トレインスポッティング」を連想してしまいました。ただ、最後の最後でホッとする救いを入れたのは、やはり少年物のせいでしょうか。

 この作品に出てくる住宅街の風景と、「リトル・ダンサー」に出てくる住宅街の風景が非常に似ていて、同じところでロケしたらしいという話もあります。イギリスの低所得者が住む典型的な町並みといったところなのだと思います。

 でも町並みも家の内部も少年達の服装も、日本に比べるとやたらと明るくてこざっぱりしているんですよね。

 家族の金をまき上げては飲み屋に入り浸る、飲んだくれのグータラ親父、病弱で気弱な母親、グレて家を飛び出したクスリ漬けのフーテン姉貴、そしてろくに学校も行かず、酒とタバコとクスリと万引きに明け暮れる不良少年とくれば、日本ではもっともっと暗くて悲惨で、救いようのない話になりますよね。(^^;)

                            とものり



1131. 「スカイジャック」 とものり [URL]  2003/05/24 (土) 11:11
・「スカイジャック(A TOUGH ONE TO LOSE)」トニー・ケンリック、角川文庫、1998年9月発行

 ケンリックの復刊版再読シリーズ第3弾で、360人の乗客を乗せたジャンボ・ジェットがそっくりそのまま消え失せるという奇想天外なトリックで有名な、ケンリックの出世作。

 とにかくトリックの奇抜さは群を抜いており、「リリアンと悪党ども」と並んでケンリックの代表作とされています。「リリアンと悪党ども」が抱腹絶倒のユーモア推理小説とすれば、この作品は軽妙洒脱なユーモア推理小説といったところでしょうか。

 ただロリコンの僕としては、リリアンという強烈なキャラクターがいるぶん、「リリアンと悪党ども」のほうにより思い入れがあります。(^^;)

                            とものり



1130. 「マイ・フェア・レディーズ」 とものり [URL]  2003/05/22 (木) 12:41
・「マイ・フェア・レディーズ(THE CHICAGO GIRL)」トニー・ケンリック、角川文庫、1998年9月発行

 「リリアンと悪党ども」と同じ時に復刊された作品で、やはり文庫本を買って再読しました。

 ケンリックらしい立ったキャラと凝ったプロット、そしてユーモアにアクションと、エンターテインメントとして良くできています。ただイギリス英語とアメリカ英語の発音の違いが重要なポイントになっている点と、オチがわかりやすいところがあり、そこが不満といえば不満です。

 この作品はずっと以前に日本で原題のままTVドラマ化されたことがあり、そのドラマ中では発音の違いは取り上げてありませんでした。

 まあ「イギリス生まれの貴婦人を、イギリスなまりのある売春婦に見せかける」という設定ですので、無理もありませんけどね。(^^;)

                            とものり



1129. 「リリアンと悪党ども」 とものり [URL]  2003/05/20 (火) 12:14
・「リリアンと悪党ども(STEALING LILIAN)」トニー・ケンリック、角川文庫、1998年9月発行

 オーストラリア在住のわりとお気に入りの推理作家、トニー・ケンリックのユーモア推理小説。ずっと以前に読んだけど、長らく絶版になっていたものが復刊されたので、文庫本を買って再読しました。

 リリアンを始めとする立ったキャラ、凝ったプロット、ユーモアとギャグ、スリル、アクションと、どれも水準以上のデキです。惜しむらくは、物語の後半でリリアンの活躍場面が減ることで、バイタリティあふれる彼女の活躍をもっと見たい気がします。

 内容的にハリウッド向きのエンターテイメント作品なので、映画化すれば面白いものができると思うんですが、なぜか映画化されていないようです。リリアン役として、子役の頃のジョディ・フォスターかテイタム・オニールあたりで映画化して欲しかったですねぇ。

                            とものり



1128. 「煩悩クラス」 とものり [URL]  2003/05/18 (日) 10:52
・「煩悩クラス」片岡吉乃、集英社マーガレットコミックス、2003年3月発行

 絵柄や題材はごく普通の少女漫画なのに、何となくヘンな感覚の漫画。少女漫画の王道、ラブコメを装っていながら、刺身のツマのはずのギャグが暴走していて、主テーマであるはずの恋愛を喰いまくっています。

 恋愛テーマもそれなりにきっちり押さえてはいるんですが、感覚が女っぽくなく、あっさりしています。この感覚と距離感がけっこう心地よく、はっきり言って僕好みです。(^^)v

 この距離感と感覚は、少女漫画よりも青年マンガのほうが向いているような気がしますね。

                            とものり



1127. 「またまたクレヨンしんちゃん2連発!」 とものり [URL]  2003/05/16 (金) 11:34
・「クレヨンしんちゃん 爆発!温泉わくわく大決戦」原恵一監督・脚本、1999年、日本、レンタルビデオ

 オープニングの短編集「クレしんパラダイス メイド・イン・埼玉」がなかなか傑作。有名な映画のパロディがてんこ盛りなので、映画ファンなら思わずニヤリとするでしょう。

 本編は昔のTVドラマ「Gメン'75」へのオマージュだと思うけど、残念ながら狙いがいまいち曖昧で中途半端な感じ。ただ丹波ボスだけはさすがに強烈で、短い出演時間にもかかわらず、しんちゃん達レギュラー陣を喰ってしまっています。

・「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶジャングル」原恵一監督・脚本、2000年、日本、レンタルビデオ

 ストーリー展開、演出、小ネタ、アクションシーンと、原監督が1作ごとにうまくなっているのがよくわかる作品。ただ少々テンションが低く、何となくそつなくまとめた感じ。

 うがった見方をすれば、監督として自信がつき、自分なりのテーマを表現したくなったけど、それがクレしん路線とは違うので、この作品はとりあえずそつなくまとめておいて、次の「大人帝国の逆襲」と「戦国大合戦」で爆発したといったところでしょうか。

                            とものり



1126. 「巌窟の野獣」 とものり [URL]  2003/05/14 (水) 12:34
・「巌窟の野獣(Jamaica Inn)」アルフレッド・ヒッチコック監督、1939年、イギリス、衛星映画劇場

 ヒッチコック監督のイギリス時代最後の作品。

 手塚治虫の初期の作品のような荒唐無稽で破天荒な面白さがあり、モーリン・オハラ演ずる、りりしくて正義感の強いヒロインと、チャールズ・ロートン演ずる魅力的な悪役も何となく初期の手塚作品を思わせます。

 手塚先生が映画から多くの影響を受けていることは有名ですが、多分、この作品も観ており、「冒険狂時代」などの初期の作品の参考にしたような気がします。

                            とものり



1125. 「クレヨンしんちゃん2連発!」 とものり [URL]  2003/05/12 (月) 17:17
・「クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡」原恵一監督・脚本、1997年、日本、レンタルビデオ

 原恵一が初めて監督した作品。前監督である本郷みつるの路線を継いでいるため、まだ独自の色は出ておらず、演出もぎこちない感じ。でも、しんみりさせるシーンにはすでに光るものがあり、ニューミュージック志向も表れています。

・「クレヨンしんちゃん 電撃!ブタのヒヅメ大作戦」原恵一監督・脚本、1998年、日本、レンタルビデオ

 少しずつ独自の色を出し始め、演出もぎこちなさがなくなっています。挿入エピソード「ぶりぶりざえもんのぼうけん」は原恵一ワールドのはしりであり、出色のデキです。

 何といっても、塩沢兼人のぶりぶりざえもんが最高にいい!p(^o^)

                            とものり



1124. 「息子の部屋」 とものり [URL]  2003/05/11 (日) 11:21
・「息子の部屋(La Stanza del Figlio)」ナンニ・モレッティ監督、2001年、フランス/イタリア、レンタルビデオ

 いかにもヨーロッパ映画らしい、淡々とした作品。アメリカ映画のようにストーリーを追うのではなく、人間の心の襞のようなものを淡々と、そしてじっくり描いていて、何となく小津安二郎の作品を連想させます。

 フランスでは小津安二郎の人気が高いそうですが、この作品を観ると成る程と納得できます。

                            とものり



1123. 「オリーブの林をぬけて」 とものり [URL]  2003/05/10 (土) 23:23
・「オリーブの林をぬけて(Zire darakhatan zeyton)」アッバス・キアロスタミ監督、1994年、イラン、衛星映画劇場

 イランの巨匠アッバス・キアロスタミ監督の、「友達のうちはどこ?」、「そして人生はつづく」に続く3部作最後の作品。

 滅多に見ることのないイランの自然描写、ゆったりとした時間の流れ、素朴で自然な演技とそれを生かした素朴な演出、何となく創生期の映画を観ているような、思わず微笑ましくなるような作品です。

 でも、そういった感じをわざと狙っているようなところもあり、そこが巨匠キアロスタミ監督の油断のならないところです。

 ラストのロングショットが実に印象的で、それまでの素人っぽい素朴さは、全てこのショットを効果的にするための計算ずくという感じがします。

                            とものり



1122. なるなる・・・ ロートル川崎  2003/05/09 (金) 14:46
なるほどぉ。かなり難しいんですねぇ。(@_@)
もうすこし勉強します。
どうもありがとうございました。

p.s.資材かぁ・・・な〜んもないからなぁ。(苦笑)




1121. Re: 雨降りは・・・ とものり [URL]  2003/05/08 (木) 21:08
>ロートル川崎さん

>>ああ、こういうのを”窓際俗”っていうのかぁ。(ボソッ)
>>とものりさんに一歩近づいたような気がする。(苦謎笑)

 ふっ、ふっ、ふっ、僕は「悪徳窓際幽霊社員」ですから、それプラス会社の資材と資金を私物化し、仕事時間中に個人サイトのメンテナンスをし、地元自治会の資料を作ってコピーしまくり、たまに発生する会社の仕事は人に押し付け、時々フラッと姿を消し、得意先訪問と称してオフ会に参加する……といったことをすれば、よりいっそう近づくことができるでしょう。(^_-)

                            とものり



1119. 「さすらい」 とものり [URL]  2003/05/07 (水) 10:49
・「さすらい(Im Lauf Der Zeit)」ヴィム・ヴェンダース監督、1976年、西ドイツ、衛星映画劇場

 ヴィム・ヴェンダース監督のロード・ムービー三部作の最後の作品。ゆったりとした間と内省的なセリフ、そして女性不信を暗示するシーンと、いかにもヴェンダース監督らしい作品です。

 物語性を重視せず、ゆったりとしたリズムで内省的かつ暗示的なセリフをポツリポツリと入れるところは、何となくテオ・アンゲロプロスと似たところがあります。

 ただクレヨンしんちゃんシリーズの後に見たせいか、このゆったりとしたリズムがまだろっこしくて退屈に感じてしまいました。(^^;)

 昔の日本映画や中国映画のゆったりとした間は退屈に感じないのに、タルコフスキーやヴェンダースやテオ・アンゲロプロスなどの間は、時に退屈で冗長に感じてしまうのは、やっぱり国民性の違いなんでしょうか。

                            とものり



1118. Re: 手塚治虫記念館 とものり [URL]  2003/05/06 (火) 13:18
>NEGIさん

>>特に誕生直後のアトムの前はそれこそ黒山の(今は茶山ってか^^;)人だかりで、
>>生まれたばかりのアトムの電子脳がショートしやしないかと(しないしない^^;)気
>>になりました。

 手塚治虫記念館では、アトム生誕日に合わせてアトムが誕生したそうですね。(←意味不明(^^;))

 僕が手塚治虫記念館に行ったのは阪神大震災のすぐ後でしたので、アトムはまだ誕生していませんでしたよ。また記念館に行って、見てみたいもんです。

>>私には手塚治虫の直筆の推敲ノートやら、古い原稿の方が興味深く、書かれている
>>几帳面な文字に人柄を感じたりしていましたよ。。

 僕もやっぱり原稿のほうが興味深かったですね。生原稿のペンタッチがきれいで、線が生きているので見とれてしまいましたよ。生きた線というのは、印刷ではなかなか再現できないんですよね。(~.~)

                            とものり



1117. 手塚治虫記念館 NEGI  2003/05/05 (月) 19:23
 手塚治虫記念館へ行ってきました。
 今度、三男が運転免許を取得したので、ついに息子全員免許持ちとなったお祝いに^^;、姫路方面へドライブ旅行をしたついでに寄ったのです。

 今はカーナビなどという便利なモノがあるおかげで、道に迷うことはなかったのですが、初日、高速道路の渋滞29キロには閉口いたしました。^^;

 手塚治虫記念館もご多分に漏れず超満員で、やたらと若い人ばかりが目に付き、なぜか私のようなオッサンはあまり居ませんでしたね。
 特に誕生直後のアトムの前はそれこそ黒山の(今は茶山ってか^^;)人だかりで、生まれたばかりのアトムの電子脳がショートしやしないかと(しないしない^^;)気になりました。

 私には手塚治虫の直筆の推敲ノートやら、古い原稿の方が興味深く、書かれている几帳面な文字に人柄を感じたりしていましたよ。。
 
              NEGI



1116. 「至福のとき」 とものり [URL]  2003/05/05 (月) 12:01
・「至福のとき(幸福時光)」チャン・イーモウ監督、2002年、中国、星ヶ丘三越映画劇場

 毎年、ゴールデンウィークにもらう映画のタダ券で観に行った作品。去年はフォ・ジェンチイ監督の「山の郵便配達」、一昨年はチャン・イーモウ監督の「初恋のきた道」と、ここ数年、中国映画が続いています。

 「山の郵便配達」や「初恋のきた道」と同様、この「至福のとき」も昔の日本映画を観るような作品で、何となく「キューポラのある街」を連想してしまいました。ただ題材が現代中国のせいか、2作品ほどの感銘は受けませんでした。

 ヒロインのドン・ジエは例によってチャン・イーモウ監督好みの美少女ですが、僕の好みとしてはチャン・ツィイー、コン・リー、そしてドン・ジエという順番になります。(^^;)

                            とものり



1115. 「ジェーン先生と森の仲間たち」 とものり [URL]  2003/05/05 (月) 12:01
・「ジェーン先生と森の仲間たち(Jane Goodall's Wild ChimpanZees)」名古屋水族館アイマックス

 水族館に遊びに行ったら、たまたまやっていたので観てきました。ジェーン・グドール博士は野生のチンパンジーが道具を使うことを発見した有名な女性研究者であり、アフリカの自然とチンパンジーを守る活動家としても有名です。

 天才チンパンジーのアイちゃんファンの僕としては、当然、ジェーン先生のことは以前から知っていて、このドキュメンタリーも部分的には見たことがありましたが、全部見たのは初めてでした。

 アイちゃんを題材としたドキュメンタリーと違い、この作品はジェーン先生を中心としたドキュメンタリーであり、チンパンジーは脇役扱いですので、これを観ても残念ながらチンパンジーの生態などはほとんどわかりません。

 でも若かりし頃のジェーン先生が知的で優しそうな美人だったのに驚き、チンパンジーよりもジェーン先生を主役にした製作者の気持ちがわかる気がしました。(^^;)

                            とものり



1114. 「魔性の子」 とものり [URL]  2003/05/02 (金) 17:20
・「魔性の子」小野不由美、新潮文庫、1991年9月発行

 「十二国記」シリーズの嚆矢となった小説で、この作品をきっかけとして「十二国記」シリーズが生み出されました。

 ちょうど萩尾望都の名作マンガシリーズ「ポーの一族」が、「透きとおった銀の髪」という短編をきっかけとして生み出されたのと同じようなもので、作家にとってこういった作品は自ら鉱脈を掘り当てたようなものでしょう。

 「ポーの一族」と同様、「十二国記」も最初からシリーズ化することは考えていなかったはずで、この「魔性の子」の設定と「十二国記」の設定は微妙に違っています。また「十二国記」シリーズがファンタジー色が強いのに対して「魔性の子」は怪奇色が強く、小野不由美の本来の持ち味に近いものとなっています。

 しっかし、小野不由美は本当に小説がうまいなぁ……!

                            とものり



1113. Re: ぐはっ とものり [URL]  2003/04/30 (水) 09:40
>へんり〜さん

>>昨日の夕刊に写真入りで載ってます。
>>それはちょっと前にお知らせした5月10日のリサイタルみたいなものの宣伝という
>>か、まあ芸能欄なので、こういう催しがあるよって案内程度ですが・・・。

 おっ、そうですか! それでは家に帰ってから新聞を捜してみますよ……って、朝日新聞しか取ってないけど、朝日にも出てるかなあ…?

>>リハーサルは何回もやらされるしさ〜。
>>生放送で一発芸かと思ったら台本がちゃんとあるんだよ〜〜。

 へぇ〜、そうなんですかぁ! w('o')w

 そういえば学生駅伝のTV中継で、走り終わった選手にインタビューしてるとこを間近で見たことがありますが、TVで中継する前に質問と回答を決め、リハーサルまでしていたので笑っちゃいましたよ。

 どうりで、選手がすらすらとインタビューに答えられるはずです。(^^;)

                            とものり



1112. ぐはっ へんり〜  2003/04/29 (火) 20:40
やほ〜〜。もうだめ〜 忙しすぎて死にそう。
大型連休に突入しているようだけど、夢にみるゆとりがないほど休みはないTT

例の全国テレビから今日まで・・・いや今後も続くで・・・地獄の日々を送っておりますが、
昨日の夕刊に写真入りで載ってます。
それはちょっと前にお知らせした5月10日のリサイタルみたいなものの宣伝というか、まあ芸能欄なので、こういう催しがあるよって案内程度ですが・・・。
よかったら見てね。

あの全国テレビは楽しかったなぁ。
朝7時半から支度して数十秒ってのがおもしろかった。
リハーサルは何回もやらされるしさ〜。
生放送で一発芸かと思ったら台本がちゃんとあるんだよ〜〜。
ちょっとびっくり。(゜O゜;
知ってる人は、○○さんはどうだった?とか誰々さんはかっこよかった?って聞かれるんだけど、全然見えなかった。
そもそも蛭子がでてたの知らなかったTT
私は蛭子が好きなのにTT






1111. 「クレヨンしんちゃん・嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」 とものり [URL]  2003/04/29 (火) 09:41
・「クレヨンしんちゃん・嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」原恵一監督、2002年、日本、レンタルビデオ

 クレヨンしんちゃんシリーズ中、「大人帝国の逆襲」と並んで傑作の呼び声高い作品です。

 原恵一監督が「大人帝国の逆襲」で吹っ切れた後の作品なので、子供向けギャグアニメという枠にも、クレヨンしんちゃんシリーズという枠にもほとんどとらわれず、思う存分才能を発揮しているため、「大人帝国の逆襲」のようにハートを鷲づかみにするほどのインパクトはないものの、作品の完成度としてはむしろ上だと思います。

 原恵一監督は涙腺を刺激するツボを心得ていて、泣かせのうまさは心憎いばかりです。しかもそれがあざとくなく、笑いのオブラートでくるんださりげないものなので、僕のようなへそ曲がりでもついつい彼の術中にはまって、思わずホロリとさせられてしまいます。

 宮崎駿が「ルパン3世」シリーズを踏み台として大きくジャンプし、押井守が「うる星やつら」シリーズを踏み台として大きくジャンプしたように、原恵一も「クレヨンしんちゃん」シリーズを踏み台として大きくジャンプしようとしているような気がします。

 しばらくは原恵一から目が離せません。

                            とものり



1110. 「クレヨンしんちゃん・嵐を呼ぶ モーレツ!大人帝国の逆襲」 とものり [URL]  2003/04/27 (日) 16:19
・「クレヨンしんちゃん・嵐を呼ぶ モーレツ!大人帝国の逆襲」原恵一監督・脚本、2001年、日本、レンタルビデオ

 いやぁ〜、泣いた、泣いた、久しぶりにアニメで大泣きしました!(ToT)

 アニメファンの間では有名な名作だけに、レンタルビデオ屋に行ってもずっと貸し出し中でなかなか借りられなかったんですが、先日、ついに借りることができました。

 「クレヨンしんちゃん」の映画版は作り手がけっこう好き勝手に作っていて、特に原恵一監督が脚本と監督を担当したこの作品は、子供向けギャグアニメという枠を完全に逸脱し、自分のために止むにやまれずに作ったという感があります。

 とにかく昭和20年代後半から30年代生まれ、つまり現在40才から50才くらいの人間のハートを鷲づかみにし、切ない涙を流させること必至のこの作品は、押井守監督の名作「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」と並んで、最もお気に入りのアニメになりました。

 未来に希望が持てなくなった時、生きるのに倦んだ時、人生に疲れた時、僕はこの作品をまた観なおして、懐かしいあの時代の匂いに浸り、自分の人生をそっと振り返り、そう悪い人生でもなかったなと納得して、過ぎ去った時代への憧憬と切ない思いを振り切って、また新たな明日を生きる意欲を沸きあがらせたいと思います。

 原恵一監督さん、こんな素晴らしい作品を作った、あんたはエライ!!

                            とものり



1109. 「東亰異聞」 とものり [URL]  2003/04/25 (金) 15:02
・「東亰異聞」小野不由美、新潮文庫、1999年5月発行

 ジュニア向けファンタジー小説「十二国記」シリーズで有名な、小野不由美の不思議なミステリー&ホラー&ファンタジー小説です。

 僕が小野不由美の著書を初めて読んだのは、実は小説ではなく、水玉螢之丞がイラストを描いた「ゲームマシンはデイジーデイジーの歌をうたうか」というゲームエッセイでした。

 その本を読んだ時は、恥ずかしながら彼女も「十二国記」シリーズも知りませんでした。しかし文章のうまさと内容のマニアックな濃さに感心し、「エッセイのうまい小説家は小説もうまいことが多い」という経験則に従い、その後で「十二国記」シリーズを読んでみました。

 経験則にたがわず「十二国記」シリーズはなかなかの傑作で、ジュニア向けとは思えないほどの深い内容と雄大で骨太な構成、そして作者の想像力のすごさと小説のうまさに驚かされました。

 その時からこの作者には注目していましたが、思ったとおり大人向け小説の分野にも進出してきて次々と傑作を発表しています。

 「東亰異聞」はミステリーともホラーともファンタジーとも言える不思議な小説で、この作者の小説のうまさがよく表れています。小野不由美にますます注目です。

                            とものり



1108. 「オープン・ユア・アイズ」 とものり [URL]  2003/04/23 (水) 12:36
・「オープン・ユア・アイズ(Abre Los Ojos)」アレハンドロ・アメナバール監督、1997年、フランス・スペイン、深夜映画劇場

 スペインの新進気鋭の若手監督アレハンドロ・アメナバールが、脚本と音楽も担当して撮った意欲作。トム・クルーズがこの作品に惚れ込み、「バニラ・スカイ」としてリメークしたために話題になりました。

 内容としては「うる星やつら Part2」、「マトリックス」、「アヴロン」などと同様、人間の記憶と夢と現実の関係を扱ったもので、まるで押井守の作品を見ているようでした。「マトリックス」が押井守作品の影響を強く受けているように、この作品も押井守の影響を受けているのではないかという気がします。

 ただ押井守作品が内省的かつ形而上的であるのに対して、「マトリックス」がいかにもハリウッド式のアクション物となっており、この作品がメロドラマ的かつ形而下的になっているのはお国柄というものでしょうか。(^^;)

 そしてこれもお国柄か、出演者たちが非常にエキゾチックな顔立ちをしており、特にヒロインの二人の女優は僕の好みではないものの強く印象に残りました。

 トム・クルーズがヒロインの一人であるペネロペ・クルスに惚れ込み、「バニラ・スカイ」でも同じ役をやってもらった気持ちがわかる気がします。

                            とものり



1107. Re: 疲れた みっちゃん  2003/04/21 (月) 22:02
> めちゃくちゃ疲れた。数十秒の為に前の日からスタンバらされていたのだが、死ぬほど疲れたやん。
お疲れ様です。
ビデオは撮ったのだが・・・
再生してみたら、音は入っていたんだけど、画面の調子がおかしかったんです。
原因は不明です。ま、調べてもいませんが・・・
なので、へんり〜さん&まこさんの着物は見えたんですが、顔が見えなかったんです。
一体どんな髪型だったのか気になります。
オフ会のイメージではないような気がしますが・・・



1106. 「リトル・ダンサー」 とものり [URL]  2003/04/21 (月) 10:30
・「リトル・ダンサー(Billy Elliot)」スティーブン・ダルドリー監督、2000年、イギリス、レンタルビデオ

 「ビューティフル・マインド」と同様、観よう観ようと思っていて、区長の仕事のため今まで観れなかった作品のひとつ。「ビューティフル・マインド」は少々期待はずれでしたが、こちらは期待以上のデキでした。(^^)v

 ありがちな、陳腐と言ってもよいストーリーを現代風にひとひねりしつつ、子供の成長と父親との関係といったイギリスの伝統的なテーマについては、真摯に真正面から堂々と描ききっていて、久しぶりにさわやかな感動を味わうことができました。何よりも、初監督作品らしい熱気が画面から感じられるところが実にいいです。

 ”現代風ひとひねり(^^;)”のひとつとして、主人公ビリーの親友が実はオカマで、女装したり、オカマであることをビリーにカミングアウトしたりするんですが、その少年が妙に色っぽくて可愛いんですよ。

 残念ながら僕にはそのケはなく、どちらかと言えば「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」のメリンダ・キンナマンのように少女が男装するほうが好みなんですが、そのケのある人にはお勧めかも。(^^;)

 それにしても、監督1作目とは思えないダルドリー監督の演出の見事さには非凡なものを感じます。この監督はこれから注目しておきたいですね。

                            とものり



1105. Re: 疲れた とものり [URL]  2003/04/19 (土) 12:27
>へんり〜さん

 TV見ましたよーっ&生出演お疲れ様でした!(^o^)/

 う〜む、我等がへんり〜・まこ姉妹のユニークなキャラを生かしきっていない番組構成でしたね。番組スタッフの事前調査が足らない気がしますよ。

 でもまあ、久しぶりにお二人の和服姿が見られて良かったです。(^^)v

>>楽しかったけど、レギュラーがやる気がないように感じるのは現場を見たからかな?

 こういったことは、実際に出演した人でないとわからないでしょうね。面白い裏話なんかがあったら、是非聞きたいですね。

                            とものり



1104. Re: 疲れた NEGI  2003/04/19 (土) 06:59
>へんり〜姐
 ビデオに録画して見ましたよ。双子のニューハーフと本物の叶姉妹(笑)が相手では、少々分が悪かったように感じました。^^;
 
 もう少しケバ系の着物とギンギンの髪型にするとか、逆に喪服みたいな地味系の着物にお歯黒してくとか、もっと名古屋弁まるだしでタモリを圧倒するとか、基本的な戦略に工夫の余地があるように感じました。

 でも個人的には、全国区でへんり〜さんを拝見できて幸せでありました。

           NEGI



1103. 疲れた へんり〜  2003/04/19 (土) 02:34
めちゃくちゃ疲れた。数十秒の為に前の日からスタンバらされていたのだが、死ぬほど疲れたやん。
楽しかったけど、レギュラーがやる気がないように感じるのは現場を見たからかな?
思ったよりスタジオ小さくてね、前の私の家のお稽古場の方が大きいよ。

疲れてコメントもできんから、また後日ね^^



1102. Re: やほ〜 NEGI  2003/04/17 (木) 06:51
> ところで、極秘情報ですが、今週の金曜日に「笑っ●い▲とも」に
> でます!

 うわ〜、ついにやりましたか。

 へんり〜さんの全国区進出に、あ、それシャンシャンシャン・・と。m(^^)m

 だけど、その日は葬式が入ってて一日外にいるんじゃ〜。(O.;)

 誰か、ビデオにとっておいてくれ〜、それからAVIかMPEGに落として私に送ってくれ〜。^^;

      うう・・  NEGI



1101. 違うって へんり〜  2003/04/17 (木) 01:53
それがさ、テレホンなんとかならもっと大々的に花輪を要求するがね^^
その次の新コーナーみたいなやつっぽい。
また例のごとく色物音楽家としてでるんだわさ。
木曜日から東京に行っていますので、書き込みできないけど、
みなさんによろしく。